大本山 増上寺の納骨・永代供養について詳しく解説!

東京タワーのふもと 造土宗大本山増上寺の納骨や永代供養について
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東京都港区、芝にある大本山 増上寺(ぞうじょうじ)の納骨や永代供養について、詳細に解説していきます。

増上寺は、江戸幕府将軍の徳川家の菩提寺であり徳川家康公とのゆかりがある、東京都内の有名なお寺です。忠臣蔵の話中の舞台としても知られていたり、関東地方にお住まいの方は東京タワーの横にあるお寺として、よくご存知ではないでしょうか。

このページは、大本山増上寺へ遺骨を納めたい方東京都内で永代供養のお墓を探している方、有名なお寺に納骨したい方に、おすすめの内容です。

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大本山増上寺の基本情報

増上寺の基本情報

東京都港区芝公園にある増上寺は、1393年に創建された浄土宗七大本山のひとつです。浄土宗鎮西派の大本山寺院です。
東京タワーのふもとにあり日比谷通り沿いに位置しています。関東地方や全国でも知らない人は少ない、東京の有名なお寺です。芝の増上寺と呼ばれることが多いです。

様々な歴史をもつ増上寺ですが、最もよく知られているのは、徳川家の菩提寺であり、徳川二代将軍秀忠公をはじめ6人の将軍が眠る墓所があることです。

増上寺の本堂と東京タワーの写真

また、境内がとても広く、本堂である大殿や光摂殿や慈雲閣といった建物は、葬儀会場としても利用されています。特に、大規模会場でしかできない社葬やお別れの会で使用されることが多いです。
最近では増上寺がコロナウイルスのワクチン接種会場になりました。子どもを一時的に預けることのできる託児所つきのワクチン接種会場として、話題になりました。

歴史的にも文化的にも沢山の魅力があるお寺なので、観光寺院としても人気です。国内海外問わず、いつも旅行客でにぎわっています。また、御朱印の種類も豊富で、都内や地方から御朱印めぐりに来られている方もいらっしゃいます。

増上寺の三門の写真
増上寺 三解脱門

また、境内の千躰子育地蔵尊も有名です。千体を超えるお地蔵さんが赤いニット帽をかぶり風車を持っています。赤いよだれかけをしているお地蔵さんもいます。増上寺の観光名所として人気です。

増上寺の風景 千躰子育地蔵尊
増上寺 千躰子育地蔵尊
増上寺の基本データ
  • 名称:三縁山広度院 増上寺
  • 宗旨/寺格: 浄土宗(鎮西派) /大本山
  • ご本尊:阿弥陀如来
  • 創建:1393年
  • 所在地:東京都港区芝公園4丁目7−35
  • 交通アクセス:JR浜松町駅から徒歩10分、あるいは、地下鉄御成門駅や芝公園駅から徒歩3分(詳細はこちら)
  • 周辺施設:東京タワー、東京プリンスホテル、ザ・プリンスパークタワー東京、芝公園

大本山増上寺の納骨について

増上寺の納骨について

東京都内で、有名でかつ人気のある増上寺なので「遺骨は増上寺に納めたい!」と希望される方も多いはず。
ですが、一般人も増上寺で納骨できるのでしょうか?また、増上寺で永代供養はできるのでしょうか?

結論から言いますと、増上寺へ納骨することは可能です。
そして、永代供養についても、事実上の永代供養ができます。これは要するに、増上寺自体が「永代供養ができる」と謳っているわけではありませんが、跡継ぎが居なくなったとしても、お寺がその跡継ぎの代わりに供養をしていきます。永代供養の役目は果たされるのです。

増上寺の納骨と永代供養について、もう少し深掘りしていきます。

増上寺の納骨とは?

インターネットで“増上寺 納骨”と検索をかけてみると、芝大門御廟や花岳院納骨堂や芝庭苑といった、色んな墓苑や納骨堂の名称が出てきます。
これらは、増上寺の子院 (しいん) が持っている墓苑や永代供養のことです。子院とは、本寺の寺域内にある小規模な末寺のことで、似たような意味で、山内寺院(さんないじいん)とも呼ばれます。増上寺にはいくつかの山内寺院があり、増上寺を取り囲むように今も点在しています。
つまり、“増上寺 納骨堂”や“増上寺 永代供養”とインターネットで検索して出てくる、ほとんどのサイトが山内寺院のお墓のことだと思ってください。

もちろん、山内寺院はれっきとした由緒ある寺院なので、それが良くないという意味ではありません。
ただ、大本山増上寺での納骨を希望される方は、境内の大納骨堂(だいのうこつどう)とよばれるお墓へ納骨されるほかありません。


増上寺の「大納骨堂」について

増上寺に預けられた遺骨は、全て大納骨堂に埋葬されます。大納骨堂は、大殿(だいでん)と呼ばれる本堂の裏手、徳川将軍墓所に向かって左側に位置しています。大納骨堂のバックには、東京のシンボルである東京タワーがはっきりと見えます。

増上寺の大納骨堂は、1933年に建立されました。ご本尊は高村光雲氏作をもとにして作られた地蔵尊像です。戦災の難を逃れた数少ない建造物で1980年に現在の場所に移りました。大納骨堂を脇で守っている狛犬の像も印象的です。

大納骨堂へのお参りについて

増上寺の大納骨堂では、お花やお線香をお供えすることができます。お参り時間は、6:00~16:00までです。

また、増上寺は浄土宗なので、阿弥陀如来を御本尊としています。そのため、増上寺にお越しになった際は浄土宗にならい御本尊様の前で合掌一礼をして、「南無阿弥陀仏」と十遍お称えいただき、一礼してください。

増上寺の大納骨堂に参拝できる時間は、6:00~16:00 です。

増上寺への納骨方法・費用

増上寺へはある条件を満たす限り、一般の方も納骨ができます。納骨方法は2つあります。1つは、全骨(ぜんこつ)を大納骨堂へ納める形式、もう1つは、分骨(ぶんこつ)した遺骨を大納骨堂へ納める形式です。

増上寺へ納められる遺骨は、 全骨も分骨も全て、大納骨堂へと埋葬されます。大納骨堂は合祀合葬のお墓になります。
合祀合葬とは、複数の遺骨が同じお墓へ埋葬されるお墓のことです。皆さん一緒に埋葬されるので、後々、個人の遺骨を取り出すことはできません。

増上寺の納骨形式
  • 全骨を納める形式
  • 分骨した遺骨を納める形式

全骨を、増上寺へ納骨するには

ここでいう全骨とは、喉仏も胴骨もすべて含めた火葬後の焼骨のことを意味します。関東地方ではこの場合、本骨とも表現しますが、関西地方で使う本骨という言葉は意味が違ってくるので、このページでは「全骨」と表現しています。

近年は特に、お墓じまいや改葬(お墓の引っ越し)が増えてきたことでお墓の中の遺骨を骨上げして、どこかのお寺さんへ預ける、という先祖供養の方法を選ぶ方が多くなってきています。
増上寺のような有名な本山寺院は、墓じまいや改葬後の先祖供養先として選ばれやすい傾向にあります。

増上寺の大納骨堂へ全骨を納骨できる条件は、後継者がいないお付き合いしている寺院(菩提寺や檀那寺)がない、また、その他事情を抱えている、といったことです。
例えば、葬儀や法要行事で決まったお寺と付き合いをしていない方、娘さんやお子さんが遠方にいて墓守する人がいない方などは、増上寺へ全骨を埋葬できるというわけです。

費用面でいいますと、全骨を納骨する際にかかるお金は、納骨回向料として、1霊位につき 50万円です。霊園や墓地と違って管理料はありません。

全骨を納骨するには
  • 後継者がいない、付き合いのあるお寺がない、そのほかご事情を抱えている方に限られる。
  • 納骨回向料 50万円の費用を支払う。

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分骨した遺骨を、増上寺へ納骨するには

一方、分骨した遺骨を納骨する際にも条件があります。それは、浄土宗の檀信徒(檀家)であることです。こちらは厳しい条件と言えます。菩提寺(檀那寺)の許可を取る必要があります。

本来、分骨とは、本山寺院のお寺などに納骨する分と、自分のお墓へ埋葬する分に、遺骨を分けることを言います。増上寺の分骨を受け入れる制度も、この為にあるというわけです。

分骨した遺骨を納骨する際にかかるお金は、納骨回向料として、1霊位につき2万円です。こちらも管理料はかかりません。

分骨した遺骨を、納骨するには
  • 浄土宗の檀信徒であり、菩提寺の許可が得られること。
  • 納骨回向料 2万円の費用を支払う。

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大本山増上寺の永代供養について

増上寺の永代供養について

続いては、大本山増上寺の永代供養(えいたいくよう)について説明します。

増上寺の公式サイトを見ても、永代供養の文字は出てきません。ですが、永代供養が全くできないわけではないのです。

そもそも永代供養とは、お寺や霊園が跡継ぎに代わって永代に亘り先祖供養を行っていくことを意味します。

増上寺へ納骨される遺骨は、本堂で法要をされた後、大納骨堂へ埋葬されます。埋葬後は、増上寺が大納骨堂を管理し、合同供養が行われます。増上寺が跡継ぎに代わって永代に亘り供養を行うのです。

つまり、永代供養という言葉の意味合いから考えると、大納骨堂へ納骨すれば、増上寺でも永代供養ができるというように解釈できます。大納骨堂へ納骨すれば、増上寺で永代供養をしている、とも言い換えられるのです。

増上寺自身が、大納骨堂へ納骨することを永代供養と呼んでいないので、ここでは、永代供養であると断定はしません。

さらに、もっと個人的に供養をしてもらいたいと希望する方は、永代に亘って月命日の回向を申し込むことができる永代祠堂(えいたいしどう)と呼ばれる供養ができます。別途費用はかかりますが、月命日の回向や供養をしっかりとお願いしたいときは、永代祠堂を申し込むことも検討してみてください。

大本山増上寺の墓地について

増上寺の墓地について

増上寺の墓地というと、やはり大殿(本堂)の奥にある徳川将軍墓所です。通称、徳川家霊廟とも呼ばれます。
徳川将軍墓所は、一般拝観料 500円で拝観できます。中高生以下は無料です。

墓所には、歴代の徳川将軍の二代将軍秀忠公やその正室(秀忠公正室 お江様)、家茂公正室 和宮様や側室、子供たちの墓所があります。お江様や和宮様は、大河ドラマの主人公になったことで有名です。

歴代の徳川将軍で増上寺に埋葬されているのは、二代秀忠、六代家宣、七代家継、九代家重、十二代家慶、十四代家茂の6名です。

戦災によって旧徳川家霊廟は焼失されてしまいましたが、1958年に現墓所へと改葬されました。

歴代徳川将軍が祀られている墓所をリスト化にしました。

歴代徳川将軍のお墓のある場所
  • 初代将軍 徳川家康 日光東照宮
  • 二代目 徳川秀忠 増上寺
  • 三代目 徳川家光 日光東照宮(輪王寺)
  • 四代目 徳川家綱 寛永寺
  • 五代目 徳川綱吉 寛永寺
  • 六代目 徳川家宣 増上寺
  • 七代目 徳川家継 増上寺
  • 八代目 徳川吉宗 寛永寺
  • 九代目 徳川家重 増上寺
  • 十代目 徳川家治 寛永寺
  • 十一代目 徳川家斉 寛永寺
  • 十二代目 徳川家慶 増上寺
  • 十三代目 徳川家定 寛永寺
  • 十四代目 徳川家茂 増上寺
  • 十五代目 徳川慶喜 谷中霊園

よく間違われやすいのですが、初代将軍 徳川家康公のお墓は、芝の増上寺でも上野の寛永寺でもなく、栃木県の日光東照宮にあります。家康公の遺言により、菩提寺である増上寺でなく、日光に埋葬されたそうです。

増上寺と寛永寺と、徳川家の関係

「増上寺が徳川家の菩提寺である」とお伝えしてきましたが、実は、徳川家には菩提寺が2つあります。もうひとつの菩提寺が、東京上野の寛永寺です。

増上寺の本堂と東京タワーの写真
増上寺 大殿
寛永寺の根本中堂の写真
寛永寺 根本中堂

通常、菩提寺は一か所であることが大半です。
では、なぜ徳川家の菩提寺が2つになったのか。両方のお寺が菩提寺に定まった経緯を調べてみました。

芝の増上寺が、徳川家の菩提寺となった経緯を簡単にまとめてみました。
江戸幕府のできる数百年前に創建された増上寺ですが、1590年、徳川家康が増上寺の当時の住職と師檀関係を結び、現在地へとお寺が移転されます。
その後、家康は征夷大将軍の地位を得て、江戸幕府を開きます。幕府が開かれた頃から増上寺は大造営されて、家康の死後、増上寺で葬儀が執り行われたことから、正式に徳川家の菩提寺となるのです。
ただ、家康自身は栃木県の日光東照宮に墓所を置き、 二代将軍の秀忠以降が、増上寺にて墓所をもつようになりました。

一方、上野の寛永寺が徳川家の菩提寺となった経緯は、1625年に三代将軍 徳川家光が、寛永寺の創建に携わったことから始まります。寛永寺は、江戸幕府の安泰と万民の平安を祈願するために創建されたお寺です。その後、寛永寺の住職(トップ)に皇族が就いていて、その住職の権威は、将軍クラスだったとも言われています。

家康により菩提寺に定まった芝の増上寺と、家光により幕府のために創建された上野の寛永寺は、当時の方位学的に、江戸城から見て、裏の鬼門に増上寺、表の鬼門に寛永寺が建てられているそうです。

増上寺の墓所に祀られていない将軍のほとんどが、寛永寺の徳川家霊廟にお祀りされています。


大本山増上寺の行き方・交通アクセス

増上寺への行き方とアクセスについて

最後に、増上寺への行き方、アクセスについてまとめていきます。

電車での行き方

増上寺から徒歩10分圏内の駅は、JR浜松町駅、都営地下鉄御成門駅・芝公園駅・大門駅・赤羽橋駅、東京メトロ神谷町駅です。

駅から増上寺までの所要時間
  • JR線・東京モノレール 浜松町駅から徒歩10分
  • 都営地下鉄三田線 御成門駅から徒歩3分
  • 都営地下鉄三田線 芝公園駅から徒歩3分
  • 都営地下鉄浅草線・大江戸線 大門駅から徒歩5分
  • 都営地下鉄大江戸線 赤羽橋駅から徒歩7分
  • 東京メトロ日比谷線 神谷町駅から徒歩10分

バスでの行き方

都営バス橋86/浜95乙/浜95甲のいずれかに乗車し、御成門バス停で下車、バス停から増上寺まで徒歩7分です。

自家用車での行き方

駐車場はございません。近くのコインパーキングをご利用ください。

近くのICから
増上寺までの所要時間
  • 台場IC 首都高速11号台場線11経由から車でお越しの場合、約9分。

大本山増上寺の地図

増上寺の住所は、東京都港区芝公園4丁目7−35です。

【まとめ】増上寺の納骨や永代供養について

増上寺の納骨や永代供養についてのまとめ

歴史的にも文化的にも魅力の多い増上寺ですので、伝えたい事がまだまだあるのですが、ここで増上寺の納骨と永代供養について、今一度、重要なポイントをまとめます。

増上寺の納骨と永代供養 まとめ
  • 大本山増上寺の納骨は、全骨を納骨するか、分骨した遺骨を納骨するかのどちらかに限る。
  • 分骨した遺骨を納骨する者は、浄土宗の檀家で、かつ、菩提寺の許可が必要。
  • 全骨を納骨する場合、50万円の納骨回向料が必要になる。分骨の場合は 2万円。
  • 増上寺に納骨された遺骨は全て、境内の大納骨堂へと埋葬される。
  • 増上寺の大納骨堂へ納骨すると、跡継ぎがいなくてもお寺の供養が続くので、事実上の永代供養である。
  • 永代に亘って月命日の回向を希望される場合は、別途費用が発生するが、永代祠堂を申込むことができる。

いかがでしたでしょうか?
増上寺のように歴史があってロケーションもよく、安泰しているお寺はそう多くありません。大本山増上寺は、先祖供養先として十分におすすめできるお寺です。
東京都内で納骨先をお探しの方の、参考になればと思います。

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この記事を書いた人

石材店で勤務した経験を活かし、数年前よりお墓と永代供養に関するブログを開設。これまでに500件以上の霊園を巡った経験あり。

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