お墓の形態はどんどん変化を遂げてきています。
最近では、故人の遺骨や遺灰をダイヤモンドへと変える、いわゆる遺骨ダイヤモンドが注目されてきています。
遺骨ダイヤモンドを作るには、海外の製造会社に依頼するのが一般的です。とくにスイスのアルゴダンザ社とアメリカのライフジェム社は遺骨ダイヤモンドの会社として、日本でもっとも知られています。
今回は遺骨ダイヤモンドにする方法や値段や費用についてを分かりやすく解説していきます。
SNSで話題の「遺骨ダイヤモンド」
先日、Twitter上で遺骨ダイヤモンドに関する気になるツイートを見つけました。
お墓がなくて自宅に遺骨を保管している方や、自分が亡くなったらダイヤモンドにしてほしいなど、さまざまな人がこのツイートに反応しています。遺骨ダイヤモンドの利用者はまだまだ少なく、口コミや評判もほとんどないので、SNSで情報収集してみるのもよいかもしれません。
日本では最近になって注目を集めていますが、遺骨ダイヤモンドという供養の方法が出現したのは 2002年頃です。アメリカのライフジェム社が遺骨で合成ダイヤモンドを作り、世界で初めて販売したそうです。
遺骨をダイヤモンドにするのは法律で禁止されていません。いまでは一般的である「手元供養」という考え方があらわれてから、故人を身近に感じるために遺骨の一部をいれて持ち歩けるジュエリーやアクセサリを購入する方は増える一方です。
そしてついに、合成ダイヤモンドにして身近で保管するという方法ができたのです。
遺骨ダイヤモンドを選ぶメリット
次に遺骨ダイヤモンドにするメリットを考えてまとめました。
ダイヤモンドというと無色透明で美しい輝きをもち、地球上の物質で硬度がもっとも高い宝石とされています。現在は人工的に作られた合成ダイヤが世の中に多く出回っていますが、合成ダイヤは天然ダイヤ同様の輝きを放ち、とても人工的とは思えないほどの硬さがあります。
地球一の硬さを誇るダイヤモンドであるからこそ、大切な方の遺骨をダイヤモンドにかえることの意味があるといえます。
続いてはどのような手順を踏んで、遺骨の合成ダイヤモンドが完成するのかを説明していきます。
遺骨をダイヤモンドにする方法・手順
遺骨ダイヤモンドの製作は海外で行われています。国内には、海外にある遺骨ダイヤモンド製作会社の日本法人があったり代理店があったりします。有名な海外企業がスイスのアルゴダンザ社とアメリカのライフジェム社です。スイスのアルゴダンザ社はとくに日本国内で有名です。
サイト画面
専門の製作会社へ依頼してから、遺骨がダイヤモンドになって手元に戻ってくるまでの流れを次のようにまとめてみました。
これらの手順を踏んでできあがり、手元にもどってくることになります。遺骨ダイヤモンドの製作期間は、およそ半年に及ぶことが多いようです。海外工場への空輸やダイヤモンド原石に生成する作業工程に時間がかかるようです。
いずれも依頼する業者によって手順や製作期間が違ってくるので、詳しくは依頼する業者へお尋ねください。
ダイヤモンド製作で使われる遺骨の量
ダイヤモンド生成に必要な遺骨の量については、アルゴダンザ社を例にとって説明します。アルゴダンザ社は400gを基準として遺骨を受け付けられているようです。
東日本で使われる骨壺はほとんど400g以上の遺骨が拾骨できます。
一方、西日本で使われる4寸サイズの骨壺の場合、遺骨が400gに満たないことがほとんどのようです。参考にしたアルゴダンザ社では遺骨が足りないケースでも提案できる商品があるようです。遺骨が足りるかどうか気になる方は、製作会社へ直接問い合わせされることがよいでしょう。
遺骨ダイヤモンドの費用について
最後になりましたが、一番気になる値段・費用にまとめていきます。
遺骨ダイヤモンドの値段は、カラット(宝石の重さ)、研磨カット、デザイン加工によって価格が決まります。この中でもっとも価格に影響するのが、カラット=ダイヤの重さです。どの重さのダイヤを生成するかで値段は大きく変わるようです。
参考例としてアルゴダンザ社の価格を掲載します。
アルゴダンザ社で依頼する場合、0.2カラットの原石で46.2万円、0.2カラットのカットダイヤモンド52.8万円です。カラットが増えると金額も変動します。
ほかの業者でもダイヤモンド製作にかかる費用は0.2カラットが40~50万円、1.0カラットが250万円~300万円あたりのようです。
この上さらにジュエリーにしようと思うと、上の金額に追加でジュエリーのデザイン費や加工費が発生します。
参照:アルゴダンザ社 https://www.algordanza.co.jp/price.html
まとめ
遺骨ダイヤモンドにする方法や気になる点をまとめてお伝えしてきました。
ちなみにですが、遺骨をダイヤモンドにするほかに、遺髪でダイヤモンドを作ることも可能のようです。(遺髪とは亡くなった方の髪の毛のことです。)
まとめとしてお伝えしておきたいのが、遺骨ダイヤモンドはお墓の代わりではない、ということです。なぜかというと遺骨で合成ダイヤモンドを作ったとしても、遺骨全てを使うとは限りません。少量の遺骨が残る可能性は十分にあります。なので遺骨ダイヤモンドにしたからといってお墓が不要となるわけではありません。
つまり遺骨ダイヤモンドは「手元に置きたい」「身近に感じていたい」という要望を叶えるものなのです。お墓の代わりに遺骨ダイヤモンドを、と思われている方は、ダイヤモンド製作後に残る遺骨の行き先もきちんと考えておく必要があります。