大阪北摂霊園は大阪府豊能郡豊能町にある公営の霊園です。2021年6月に新しい樹木葬区画が開園となりました。日本で珍しいドイツ型樹木葬です。
「ドイツ型樹木葬」といわれてもピンとこない方が多いはずです。そこで実際に北摂霊園へいき、ドイツ型樹木葬はどんなお墓なのか?を調査してきました。結論からいうと、自然葬や樹木葬にしたいと考えられている方にぴったりのお墓です。現地の写真とともに、北摂霊園のドイツ型樹木葬について詳しく解説していきます。
このページは、大阪や兵庫で自然葬や樹木葬をお考えの方におすすめの内容です。
ドイツ型樹木葬とは?
北摂霊園のドイツ型樹木葬に触れる前に、まず「ドイツ型樹木葬」とはどんなお墓なのか?を実際に訪れて、分かったことをお伝えします。
ドイツにおける樹木葬は、森のなかの樹木をそのまま墓標としてその樹木の周辺に遺骨を埋葬する形式です。まさしく遺骨を自然に還す、自然葬といえます。家族でひとつの木を使うパターンや友達で使うパターンなど、さまざまなニーズに合わせて遺骨は埋蔵されるようです。どこに遺骨が埋まっているかわからない場合もあるようです。
日本の樹木葬も樹木の周りに埋葬するのが一般的ですが、やはり墓石を使用する風習がのこっていて、樹木葬といっても石のプレートや石碑を墓標とすることがほとんどです。しかも日本は墓埋法という法律のもとで、遺骨を埋めるのはきちんと墓地として認可された場所でないといけない、と決められています。なので自宅の庭や家の近くの森に、勝手に埋葬することは許されません。霊園やお寺はきちんと申請をおこない、墓地であるという許可を得ているのです。
ちなみにですが北摂霊園は、きちんと墓地の許可をもっている霊園です。なので園内の一角にドイツ型樹木葬を設置することができるのです。
北摂霊園のドイツ型樹木葬は「木もれびと星の里」とよばれています。北摂霊園の入り口正面にその区画はあります。北摂霊園の合葬式墓地や管理事務所の近くです。北摂霊園はもともと自然にかこまれた霊園であり、霊苑の周りは緑を感じる森ばかりです。その自然の多さを利用して、ドイツ型樹木葬が整備されています。
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北摂霊園のドイツ型樹木葬について
つづいては北摂霊園のドイツ型樹木葬の仕組みについて説明いたします。北摂霊園のドイツ型樹木葬は3つの特徴があります。
一つ目の特徴については、後の「北摂霊園ドイツ型樹木葬の種類・タイプ」で説明するので今は省略します。
二つ目の特徴「どの区画に誰が埋葬されているか見た目では分からないが、ネームプレートはある。」について説明します。日本の樹木葬は、樹木の側に石碑や石のプレートが置かれていて、そこに故人の名前を刻むのが通常です。北摂霊園の樹木葬は、名前を刻む石版が樹木の側にないため、樹木そのものにネームプレートが付けられます。あるいは、森全体をお墓とするタイプは近くに設置されている掲示板(記名板)にお名前が刻むことが可能です。
ただ埋葬されている故人の名前は分かっても、どの区画に会いたい埋葬されているかは分かりません。日本人は埋葬された遺骨の上を歩いたりしないのでどこに埋葬されているかが気になりますが、ドイツでは気にしないようです。埋葬された遺骨の上に通路ができていることもあるようです。現状、北摂霊園のドイツ型樹木葬には通路が設置されていますが、その通路は後々無くして、森の形に整備されていきます。
そして最後が通常の樹木葬のシステムとまったく異なる、北摂霊園のドイツ型樹木葬の三つ目の特徴です。
「およそ100年後の西暦2121年、墓所の使用権は消滅し、埋葬された遺骨は森の一部として自然に還っていくものとされます。」というのは、北摂霊園の樹木葬へ遺骨を埋葬した後の仕組みです。
たとえば北摂霊園のドイツ型樹木葬の一区画を申し込む場合、2121年以前はその区画の使用権が与えられ、後に亡くなった方の遺骨を納めることができます。
そして、およそ100年後の2121年には区画の使用権が霊園本体へと移行して、納骨ができなくなり、樹木葬エリアは保守保全を行って自然の森へと変わっていくのです。
北摂霊園の樹木葬の種類・タイプ
北摂霊園のドイツ型樹木葬の種類は2つのタイプに分けることができます。1つは「一本の木を墓標とする」タイプ、もう1つは「森全体がひとつのお墓と考える」タイプです。
前者の「一本の木を墓標とする」タイプはそのままの意味で、植えられている好きな樹木を一本選んで、墓標として指定できるのです。このタイプには利用方法が2つあり、一本の樹木を1家族で利用する方法が「木だち(占有型)」、一本の樹木を複数の方で共用する方法が「木もれび(共用型)」です。どちらも選んだ樹木にオプションでネームプレートを取り付けることができます。また、選んだ樹木によって費用が変わるので要注意です。
木だちは家族向けの樹木葬で、木もれびは夫婦やパートナー同士の少人数向けの樹木葬です。
一方、後者の「森全体をひとつのお墓と考える」タイプは、いわゆる共同墓地や集合墓地と捉えてください。霊園内にある杉の森一帯に、遺骨を埋葬できます。共同墓地や集合墓地とはいえ、区画は個別で用意されているので埋葬スペースに別の方の遺骨が一緒に入ることはありません。この「森全体をひとつのお墓と考える」タイプとは、すなわち、明確な墓標はなくて、杉の森一帯に隠れている個別の埋葬スペースに、遺骨が納められる形式なのです。
こちらを「天の川(集合型)」と呼んでいます。個人向けの樹木葬です。
木だち&木もれびの「一本の木を墓標とするタイプ」と、天の川の「森全体をひとつのお墓と考えるタイプ」は、墓域が分かれているので、現地で確認するとより理解しやすいです。
北摂霊園の樹木葬の料金や費用
先に紹介したタイプ別で概算の費用をお伝えします。木だちと木もれびに関しては、選んだ樹木によって値段が変わるので契約前にきちんと確認しておいてください。なお、樹木は募集中のものしか応募できません。
記名するオプションについて
木だちと木もれびは、樹木にネームプレートを取り付けることができます。実際にいくつかの樹木にはお名前の入ったプレートが設置されていました。また、樹木葬エリアにある掲示板にお名前を記すことができます。掲示板に記名するのは、木だち・木もれび・天の川の全タイプで対応可能です。記名するオプションは別途料金 33,000円かかります。
北摂霊園のドイツ型樹木葬は上で表記した墓所使用料と記名オプション料金以外に、費用はかかりません。墓所使用料のなかには【2121年3月31日までの期間の使用料】+【遺骨の埋葬費用】+【山林管理料】が含まれています。
北摂霊園について
最後に北摂霊園の基本情報についてまとめていきます。北摂霊園の正式名称は「大阪北摂霊園」です。略して北摂霊園と呼ばれて、大阪北摂霊苑とも表記されていることがあります。所在地は、豊能郡豊能町高山と箕面市大字粟生間谷、茨木市泉原にまたがる地域です。北摂霊園のランドマークは箕面国定公園(明治の森国定公園)です。
昭和48年に開園されたかなり昔からある墓地です。総面積は98万平方メートル。経営主体は公益財団法人 大阪府都市整備推進センターです。管理事務所もリニューアルされてとても綺麗な建物に変わっています。北摂霊園へは車でお参りされるのが一番おすすめのアクセス方法ですが、北千里駅や千里中央駅から阪急バスも運航しているので公共交通機関でのアクセスも可能です。
北摂霊園は広くて自然あふれる霊園なので、ドイツ型樹木葬というお墓を整備することができるのです。ドイツ型樹木葬はほかの霊園にはない北摂霊園ならではの樹木葬だと思います。
【まとめ】いま気になる樹木葬「北摂霊園のドイツ型樹木葬」
いかがでしたでしょうか?
北摂霊園は、自然葬や樹木葬を望まれる方にぴったりの霊園です。またおよそ100年経つと墓地の使用権が霊園に戻されるという、ドイツ型樹木葬の独特のルールは他の霊園ではあまり例をみません。将来の墓守りや跡継ぎに対して不安を持っている方にもおすすめです。
大阪近辺で樹木葬をお探しの方は、一風変わったドイツ型樹木葬も検討されてはいかがでしょうか。ドイツ型樹木葬は大阪北摂霊園だからこそできるお墓の形です。おそらく他の霊園では真似できないことが多いことでしょう。「北摂は遠いからちょっと…」という方もぜひ選択肢のひとつに入れてみてください。
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